こじんじょうほう

ここでは普通の話しかしません

晦にて

かなり安らかに年末を過ごしている。

15年前の上京以来、なんだかんだ言って今までの帰省はたたかいだった。父からの三年で結果を出せ駄目なら潔く諦めて帰ってこいという「夢を追う子供に父親が言いがちなセリフBEST3」に入りそうなクリシェへの回答との、まともな就職もせず東京へ出て行った一人息子という世間的な後ろめたさとの、70代後半から頻繁に入退院を繰り返し続けてる父の病との、父亡き後の地元で再燃する無神経な断定的憶測や演劇そのものへの無理解との。その時々で「戦い」だったり「闘い」だったり「斗い」だったり、その内訳はさまざまだけど、大抵の場合、心休まるもので満たされていた帰省ではなかったように思う。

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今年は本当に何もしていないし、することが何もない生活を楽しめている気がする。高齢の母が最近ガラケーの機種変をして、その特典に付いてきたと言うタブレット端末を持ち腐れていたのでLINEのやり方を教えた。これまで母とのやりとりはずっと電話かメールだったが、メールとは違い特に返事をしなくても既読さえ付けばお互い安否確認になる。

機械操作に疎い母のかわりに登録作業をすべて済ませると、電話帳と紐付けをさせた途端に母の同年代の知人達から待ってましたとばかり一斉にスタンプが送られてきて、ちょっと笑ってしまった。