こじんじょうほう

ここでは普通の話しかしません

あたらしいあさがきた

元旦は元日の朝だけのことを指す。

なぜなら「旦」の字の下の横棒は地平線で、そこから昇る太陽が近い距離を保っているから。

 

という理屈で一応覚えてはいるけれど、「日」の字は一昼夜を含めた全体を指す単位時間なので太「陽」を意味しないし、そもそも太陽の形はあんな四角くない。湯呑みにしか見えない。というわけで元旦から熱いお茶を飲みながらこれを書いている。

新年なので一応今年の抱負みたいなことも考えたけれど、今年の抱負とか目標みたいなものを発表する際に、いつからか「実現可能性が少しでもありそうなもの」かどうかを気にしてしまいがちになっている。言った以上、実現できなければ嘘つきになってしまうことを恐れているのだろう。それは抱負とは言わない、ただのToDoリストだ。しかも「やること」ではなく「あくまで抱負」だからと優先順位は低めに設定され、後でやる、後でやる、と日が経つにつれリストの隅っこのほうに追いやられていく。本末転倒である。

みんな自分の身の程もわきまえずパイロットだとか野球選手だとかに憧れていた小学生くらいの頃のほうが、もっと実現性を横に置いて理想だけ掲げた「まともな」抱負を持っていたんじゃないかと思って卒業文集を読み返してみたら、「マサヒロくんと漫才コンビを組む」と書いてあった。ちなみにマサヒロくんは小学校の同級生で、あの頃は親友だったけど中学に入ってから全く交流もなく、久しぶりに会ったと思ったら漫才のことなど忘れてヘビメタにはまっていた男である。僕だって結局漫才師にはなれなかったし、今なんて人前に立たない方法で演劇をやっている。そういうものだ。べつに誰も悪くはないし、誰が何者になったって構やしないのだ。